自社のHP・パンフレットが無断で他社に利用されているのを発見してしまった場合や、自社のイベント等の一環として他人の著作物を使用したいが問題がないか疑問が生じるといった場合には、遠慮なく弊所までご相談ください。
インターネットの発達によって、情報の複製・流用が簡単に行えるようになってしまったことから、自社の権利を守るため、著作権の侵害行為に対して適切な権利行使をすることは、御社の事業を守るために必要不可欠なことです。また、他方で自社の行為が他社の著作権侵害行為とならないか、きちんとしたチェック体制を設けることも必要です。
弊所では、著作権の侵害行為に対する対応や、著作権侵害行為に該当するか否かの判断についても、ご相談を承っております。
著作権法では、一体の条件を満たした創作的な表現を著作権として保護しています。
著作権とは、著作物の創作者等に、当該著作物の複製・翻案・上演・上映・譲渡・公衆送信等の行為を独占でいる権利として認め、保護するものです。また、著作権に隣接する権利として著作者人格権として、著作物の公表・氏名表示、同一性の保持等についても、権利として保護されています。そして、著作権の発生する「著作物」とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文学・学術・美術又は音楽の範囲に属するものをいいます。
そうすると、一般に著作権として連想される文学作品や音楽といったもの以外にも、HPの記載やパンフレット等の表現も、「著作物」として、著作権が認められますので、これらを勝手に流用することはできません。
なお、著作者人格権の保護期間は、著作者が死亡するまでであり、著作権の保護期間は著作権者の死後50年までとされている点に注意が必要です。
著作権者は、著作権の侵害を行っている者に対して、著作権侵害行為の差し止め・損害賠償請求・不当利得返還請求権の行使や、その他名誉回復措置等を要求することができます。
著作権侵害の場合の損害賠償の金額は、侵害者が侵害行為によって受けた利益の額と推定され、侵害行為によって生成された物等が譲渡等された場合に、その譲渡された数量に、著作権者が販売することができた物の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、一定の条件のもとで損害の額とすることができる等の定めがあります。
また、名誉回復措置として、訂正広告や謝罪広告等の要求をすることができます。
そのため、著作権侵害物を発見した場合、侵害物件を保全した上で、侵害の主体を特定し、内容証明を送付して上記の権利行使を行う旨の警告書を送付することになります。
・私的利用のための複製
著作権法では、著作権の目的となっている著作物について、個人的に又は家庭内その他これに準じる限られた範囲内において使用する場合には、著作物の複製が可能とされています。
ここにいう「個人的に」というのは、一人で行うものを指し、組織的な活動の一環として行われるものはこれに含まれない。また、「家庭内」とは、「同一家庭内」を指し、「その他これに準ずる限られた範囲内」というのは、やはり家族に準じる限られた親密かつ閉鎖的な関係がなければなりません。
したがって、上記のような場合以外に、著作物を複製することは、著作権の侵害行為に該当する可能性があることから、注意が必要となります。
・営利を目的としない上映等
また、著作権法上、営利を目的としない場合で、聴取・観衆から料金を受けず、かつ上映者の介在者に報酬が支払われない場合には、公に上映等を行うことが認められています。
しかしながら、注意が必要なのは、ここにいう「営利を目的とせず」とは、著作物の直接的な営利目的の利用に限定するものではなく、間接的な営利効果を目的とすることも含まれています。したがって、店舗内のイベントで無料の映画上映会を行うような場合であっても、それが集客目的等のために行われたような場合には、やはり間接的な営利効果が目的とされているものと判断され、「営利を目的とせず」ということはできないこととされることとなります。