この広告は景表法違反?弁護士による最近の景表法の違反事例解説

原産国の間違いは景表法違反となるか?

 2021年9月3日にビックカメラと子会社のビック酒販社(以下、便宜上単に「ビックカメラ」といいます。)に対して消費者庁より措置命令が出されました。報道によれば、仕入先の情報が誤っていたことが原因で、中国製や台湾製の商品を日本製と表記していた事例や、逆に日本製の商品を中国製や台湾製と表記していた例もあったとのことです。

 このように原産国を誤って記載した場合、これは景表法違反になるのでしょうか。この点、中国製と台湾製、日本製どちらが性能的に優れているかということは一概には言えません。そのため、直ちに優良誤認に該当するということは言えません(但し、他の国の製品よりも優れているかのような印象を与える記載があれば優良誤認となり得ます。)。しかしながら、日本製だと思ったから購入したのであって、他の国の製品であれば購入しなかったということはよくあると思いますし、消費者心理としてはとても理解ができるものであると思います。そのため、このようなケースは指定告示(原産国告示)によって規制がされています。よって、このようなケースでもやはり不当表示となってしまいます。

 次に、仕入先の情報が誤っていたのであれば、仕方がないのではないか、むしろ仕入先業者の責任ではないかと思う人もいるかもしれません。しかしながら、景品表示法は、不当表示について景表法上の責任を負う主体性について、「表示内容の決定に関与した事業者」と定義しておりますので、今回のビックカメラは不当表示の主体として責任を負うこととなるのです。ビックカメラは、仕入先の情報を基に自ら販売する商品の表示を決定してしまっているので、表示主体としての責任は免れないこととなります。

 他方で、製造業者が既に表示をしており、小売業者がそれをそのまま販売したような場合には、自らが表示の内容の決定に何ら関与していないので表示主体としては責任は負いません。

 このように、仕入先の情報をそのまま鵜呑みして表示をしてしまうと景表法違反となる可能性がありますので注意が必要です。自社の商品の産地など基本的な情報については間違いがないかしっかりと自社で調査をするように心がける必要があります。

 

二重価格表示の落とし穴

 2020年12月23日に、消費者庁が「株式会社ジャパネットたかたに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について」という報道資料を公開しました。

 これは、同社が提供するエアコン8商品の表示について、会員カタログで、「ジャパネット通常税抜価格 79,800円」(正式には、バツ印)、「2万円値引き」、「さらに!会員様限定2,000円値引き」、「値引き後価格 会員様特価 57,800円」と表示して、あたかも「ジャパネット通常税抜価格」等という価格は、同社で通常販売している価格であると表示したものです。しかしながら、実際には、同社は、この「ジャパネット通常税抜価格」について、最近相当期間にわたって販売した実績がありませんでした

 これは、いわゆる二重価格表示の規制がかかる事案です。

 二重価格表示にはルールがあります。消費者庁は、「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」(価格表示ガイドライン)を公表して、どのような価格表示が、禁止される二重価格表示となるのかについての考え方を明らかにしています。

 この価格表示ガイドラインによれば、ジャパネットたかたの事案のように、過去の販売価格を比較対象価格とする二重価格表示について、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とはいえない価格を比較対照価格に用いる場合には、当該価格がいつの時点でどの程度の期間販売されていた価格であるかなどその内容を正確に表示しない限り、不当表示に当たる可能性があります。

 そして、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」というのは、一般的には、

a 比較対象価格での販売期間が通算2週間以上

  かつ

b セールの各時点において、当該各時点からさかのぼる8週間(販売期間が8週間未満の場合は全販売期間)において、比較対照価格で販売されていた期間が当該商品の販売期間の過半数を占めており

  かつ

c 比較対照価格で販売された日からセール開始までに2週間経過していないこと

 という要件を満たすものをいうと考えられています(価格表示ガイドライン第4の2(1)ア(ウ)参照)。

 先ほどご紹介したジャパネットたかたの事案の「ジャパネット通常税抜価格」は、a~cの要件を満たさず、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」に該当しませんでした。そうであるにも拘わらず、同社は、「ジャパネット通常税抜価格」を比較対照価格として用いて、実際の販売価格が値引きされて安くなったかのように表示していたため、消費者庁は、有利誤認表示と認定したのです。

 なお、上記のa~cの要件の中でも特に注意が必要なのが、bの要件です。bの要件は、「セールの各時点」と記載されております。そのため、例えばセールを3日間行ったとした場合、セール初日の時点からさかのぼった8週間のうち比較対象価格での販売期間が過半数を占めていれば良いということにはなりません。翌日のセール2日目、3日目もそれぞれ同じようにその日からさかのぼって8週間のうち比較対象価格での販売期間が過半数を占めるものでなければいけません。そのため、結果的に4週間を超えるセールというものは必然的にbの要件を満たさなくなってきますので注意が必要です。

 

景表法の相談方法について

 森大輔法律事務所は景表法のみならず薬機法等の表示に関する法的問題のサポートに力を入れております。まずは、お電話からの面談の予約、または森大輔法律事務所のお問い合わせフォームhttps://moridaisukelawoffices.com/contact)よりご相談をご予約ください。ご相談の日程を調整させて頂き、面談を実施させて頂いております。

景表法の相談に関する費用

初回法律相談に限って1時間1万円の費用で対応させて頂きます。

2回目以降の法律相談を継続して希望される場合は、原則として法律問題サポート契約(顧問契約)をお勧めさせて頂いておりますが、相談だけの場合は1時間あたり2万円の費用がかかります。

法律問題サポート契約(顧問契約)

 月額6万円からのご用意とさせて頂いております。景表法をはじめとする表示に関する法律問題に対応するプランです(月額6万円はご相談の上限が5件となります。また、景表法や薬機法等の表示に関する規制以外のご相談は追加料金となります。)。

ご相談方法としては、チャットワークメールお電話での相談に対応しております。また、回答は基本的に当日若しくは翌日に行うようにしており、顧問先様より高い満足度を頂いております(難易度に応じて数日回答に時間を要する場合もございますが、そのような場合は、顧問先様と締め切りを設けた上で対応をさせて頂いております。)。

スポット契約について

 景品表示法やその他表示に関する規制の法的問題は、常に弁護士に相談しながらチェックするというのが基本だと考えております。広告に訴求力を持たせるためには日々その表現を新しいものに創り替えていくという作業が伴います。そのため、定期的に相談をして頂ける環境が必要だと考えるからです。

 しかしながら、法律問題サポート契約をいきなり締結することに躊躇するケースがある場合も当然あると思いますし、またそのようなお声を頂くこともございます。

そのため、森大輔法律事務所では、可能な範囲でスポット契約にも対応させて頂くようにいたしました。スポット契約の場合は、事前に詳細なお見積書をお出しさせて頂きます。

スポット契約での対応をご希望の会社様も是非一度お問い合わせください。

 


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