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化粧品広告における薬機法のNGワードとOKワードを弁護士が解説

1.薬機法とは

「薬機法」は、正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます。
①医薬品、②医薬部外品、③化粧品、④医療機器、⑤再生医療等製品についての品質・有効性・安全性の確保と、①~⑤の使用による保健衛生上の危害防止を目的とする法律です。
もともとは「薬事法」という名称でしたが、2014年(平成26年)の法改正によって、「薬機法」と名称が変更されました。

 

2.薬機法の規制対象とは

(1)薬機法の規制対象

薬機法の規制対象は、以下の5つです。
 ①医薬品:疾病の診断、治療、予防に用いられるもの。処方薬、市販薬、検査薬など。
 ②医薬部外品:人体に対する作用が緩和であるもの。染色剤、制汗剤、栄養ドリンクなど。
 ③化粧品:皮膚の清浄、美化、美容などを目的とするもの。シャンプー、石鹸、スキンケア製品など。
 ④医療機器:診断、治療、予防に用いられる機械器具。体温計、血圧計、人工関節、コンタクトレンズなど。
 ⑤再生医療等製品:細胞等を用いた製品。幹細胞治療用製品、遺伝子治療用製品など。

(2)薬機法による広告規制ルール

①~⑤は、人の身体に直接作用して健康被害のリスクが高いものです。
そのため、薬機法による厳格な広告規制の対象となっております。
化粧品についても、医薬品的な表現(承認前広告)の禁止、虚偽・誇大な広告の禁止などの広告規制ルールが設けられています。
そこで、薬機法の広告表現に関して厚生労働省が解釈指針を示している「医薬品等適正広告基準」や、日本化粧品工業連合会の業界自主基準である「化粧品等の適正広告ガイドライン」に沿って、具体的に、化粧品(一般化粧品)の広告におけるNGワードとOKワードを解説します。

 

3.化粧品の効能効果について

(1)OKワード

化粧品(一般化粧品)の広告における効能効果のOKワードは、2011年(平成23年)7月21日通知「化粧品の効能の範囲の改正について」に掲載されている56項目に限られています。
例えば、以下のようなワードは、使用することが認められています。
 (1)頭皮、毛髪を清浄にする。
 (2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
 (3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
 (4)毛髪にはり、こしを与える。
 (5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。
 (6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
 (7)毛髪をしなやかにする。
 (8)クシどおりをよくする。
 (9)毛髪のつやを保つ。
 (10)毛髪につやを与える。

 また、「2001年(平成13年)3月9日 医薬監麻発第288号」によって、上記56項目のほか
・化粧くずれを防ぐ。
・小じわを目立たなく見せる。
・みずみずしい肌に見せる。
・清涼感を与える。
・爽快にする。
など、「メーキャップ効果」および「使用感」を表示して広告することは、事実に反しない限りOKとなっております。

(2)NGワード

これに対して、56項目にない医薬品的な効能効果の表現はNGです。
 例えば、以下のような効能効果ワードを、化粧品の広告に使用することはできません。
・美白になる
・顔痩せ
・ニキビが治る
・目じりや口元の小じわがなくなる
・肌の老化を予防し改善する
・10年前のお肌に!!(アンチエイジング)
・シワ、たるみの改善
・シミ、そばかすの除去
・メラニン色素の生成を抑える
・抗酸化効果で、お肌の老化をシャットアウト!

 

4. 化粧品の成分表現について

(1)OKワード

化粧品(一般化粧品)において特定成分を表示すると、あたかもその成分が医薬品的な有効成分であるかのような誤認を招くおそれがあります。
そのため、有効成分であるかのような誤認を招く表示は、薬機法上、原則として認められません。
また、これは、景品表示法における「優良誤認」としても違法になる可能性があります。
そこで、このようなリスクを回避するべく、化粧品に認められた効能の範囲で、特定成分を配合した目的(配合目的)を併記するなどして、誤解を与えないようにすればOKです。
したがって、例えば、
・うるおい成分アロエ配合
  →アロエを配合した目的は、うるおいを与えるという目的になります。
・肌にうるおいを与え、乾燥を防ぎます(コラーゲン配合)
  →コラーゲンを配合した目的は、肌にうるおいを与え、乾燥を防ぐことにあります。
・微粒子タルクが日差しを遮り、日焼けによるシミ、ソバカスを防ぎます。
  →微粒子タルクを配合した目的は、日焼けによるシミ、ソバカスを防ぐことにあります。
・ビタミンE(製品の抗酸化剤)
  →ビタミンEの配合目的は、製品の抗酸化にあります。
これらは、化粧品に認められた効能効果の範囲内で、特定成分の配合目的が併記されているため、OKです。

(2)NGワード

これに対して、以下のワードは、配合目的を併記していなかったり、医薬品的な薬理効果を明示・暗示し、化粧品に認められた効能効果の範囲を逸脱しているため、NGです。
・ビタミンE配合(配合目的の併記なし)
・ホホバ油を配合したクリームです(配合目的の併記なし)
・消炎効果のあるグリチルリチン酸モノアンモニウム配合
・漢方成分抽出物、生薬エキス、薬用植物エキス

 

5.化粧品の浸透表現について

(1)肌について

化粧品(一般化粧品)の広告において「浸透」と表現する場合、浸透する部位を明示する必要があります。
「肌への浸透」の表現については、角質層までがOKです。
それ以上奥の層(表皮・真皮)までの浸透表現は、医薬品的な効能とみなされるため、NGです。
もし「奥」「深く」などのワードを使いたい場合には、同一視認エリアに注釈(打消し表示)を配置するなどの工夫が必要になります。

(ⅰ)OKワード

・表皮の角質層への浸透
・角質層のすみずみへ
・乾燥の気になる場所に

(ⅱ)NGワード

・ホウレイ線をケア(作用部位でなくシワの改善を暗示する標ぼうはNG)
・角質層より奥への浸透
・肌の奥深くへ
・肌の内側から

(2)毛髪

「毛髪への浸透」表現は、角化した毛髪部分の範囲内であればOKです。
損傷部分が(治療的に)回復するような薬理効果を明示・暗示するワードは、医薬品的な効能効果とみなされるため、NGです。

(ⅰ)OKワード

・髪の内部への浸透
・髪の芯まで浸透

(ⅱ)NGワード

・キューティクルが回復する
・傷んだ髪へ浸透して健康な髪へ甦ります

 

6.薬機法違反のリスクとは

化粧品の広告表現については、薬機法によって上記のようなルールが数多く決められています。
もし、化粧品の広告が薬機法のルールに違反した場合、①行政処分、②刑事罰、③課徴金納付命令のペナルティを受けるリスクがあります。

(1)行政処分

・業務改善命令
・業務停止命令(数か月間におよぶことも)
・危険発生防止措置命令(広告の是正・Web削除、製品回収(リコール)など)

(2)刑事罰

・個人は、2年以下の拘禁刑or200万円以下の罰金(両方が科せられることもある)
・法人は、200万円以下の罰金

(3)課徴金納付命令

行政処分と刑事罰は以前からありましたが、課徴金納付命令はルール厳守を強化するために、2021年(令和3年)の薬機法改正から、虚偽誇大広告の禁止ルールの違反に対して導入されたものです。
違反対象商品を販売していた期間(最長3年間)の売上の4.5%分を納付しなければなりません。

 

7.化粧品に関する表現でお悩みの方は「弁護士法人森大輔法律事務所」へご相談を

(1)弁護士への相談メリット

以上のように、化粧品を売るための広告については、微妙な表現でOKワードかNGワードかが分かれますし、配合目的の記載など専門的な法的判断が必要になるケースもあります。
もし、薬機法ルールに違反してしまった場合、高額な罰金や課徴金、リコールの回収費用などによって多額の経済的損失を被るリスクがあります。
それにとどまらず、企業や商品への信頼が失墜し、ブランドイメージが低下して、顧客や取引先が離れてしまうリスクもあります。
そのため、薬機法ルールの違反は、事業を継続・成長していくために回避しなければなりません。
しかし、化粧品の広告ルールには、専門的で難しい部分もあるため、経営者が自らひとりで対応するのは大変です。
したがって、化粧品の広告表現についてご不明点や不安なことがありましたら、広告問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士から広告のリーガルチェックをしてもらうことによって薬機法や景品表示法のルールに違反することを回避できるので、安心して経営に邁進できるようになります。

(2)弁護士法人森大輔法律事務所への相談メリット

弁護士法人森大輔法律事務所は、2015年に企業法務メインの法律事務所としてスタート以来、業種も規模もさまざまな100社以上にわたる顧問先のリーガル・コンサルタントとして数多くの企業事例を取り扱ってまいりました。
法律の枠を超えた「経営を守る生きた知恵」をも提供し、広告支援サービス(薬機法・景品表示法)にも力を入れている法律事務所です。
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森大輔

2009年の弁護士登録以来、企業問題に取り組む。森大輔法律事務所を開所し、労働分野や広告、景品表示案件を中心に多くの顧問先をサポートしている。講演実績は多数あり、企業向け・社会保険労務士向けの労務問題セミナーを定期的に開催している。

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