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化粧品広告におけるOKワード&NGワードについて弁護士が解説

1.化粧品の効能効果の範囲について

 化粧品広告において、表現できるOKワードは、「化粧品の効能の範囲の改正について」に記載されている56項目になります。

 例えば、以下のようなワードを使用することが認められています。

(1)頭皮、毛髪を清浄にする。

(2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。

(3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。

(4)毛髪にはり、こしを与える。

(5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。

(6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。

(7)毛髪をしなやかにする。

(8)クシどおりをよくする。

(9)毛髪のつやを保つ。

(10)毛髪につやを与える。

他、合計56項目

 

<OKワード>

 なお、上記56項目のほか

・化粧くずれを防ぐ。

・小じわを目立たなく見せる。

・みずみずしい肌に見せる。

・清涼感を与える。

・爽快にする。

等のメーキャップ効果及び使用感等を表示し、広告することは事実に反しない限り認められています。(平成13年3月9日 医薬監麻発第288号)

 

<NGワード>

 他方、56項目にない医薬品的な効能効果の表現はNGとなっています。

 例えば、

・目じりや口元の小じわがなくなります。

・10年前のお肌に!!(アンチエイジング)

・シワ、たるみの改善

・シミ、そばかすの除去

・抗酸化効果で、お肌の老化をシャットアウト!

 

2.「化粧品」の成分表現について

 化粧品である成分の記載を行うと、それが有効成分であるかのような誤認を招く恐れがあります。このように有効成分であるかのような誤認を招いてしまう表示は薬機法上認められておりませんし、景表法上も優良誤認となる可能性がございます。このような表示を回避するために、化粧品に認められた効能の範囲で、ある成分を配合した目的(配合目的)を併記しなければなりません。

 

<OKワード>

 例えば、

・うるおい成分アロエ配合

 →アロエを配合した目的は、うるおいを与えるという目的になります。

・肌にうるおいを与え、乾燥を防ぎます(コラーゲン配合)

 →コラーゲンを配合した目的は、肌にうるおいを与え、乾燥を防ぐことにあります。

・微粒子タルクが日差しを遮り、日焼けによるシミ、ソバカスを防ぎます。

 →微粒子タルクを配合した目的は、日焼けによるシミ、ソバカスを防ぐことにあります。

・ビタミンE(製品の抗酸化剤)

 →ビタミンEの配合目的は、製品の抗酸化にあります。

 これらの表現であれば、化粧品に認められた効能効果の範囲の配合目的が併記されているため、OKワードとなります。

 

<NGワード>

 他方、以下のワードは配合目的が記載されていなかったり、化粧品に認められた効能効果の範囲を逸脱しているためNGワードとなります。

・ホホバ油配合のクリームです(配合目的なし)

・消炎効果のあるグリチルリチン酸モノアンモニウム配合

・漢方成分抽出物、生薬エキス・薬用植物エキス

 

3.化粧品の浸透表現について

(1)肌について

 肌への浸透表現については、角質層までがOKワードになっております。それ以上奥の層までの浸透表現はNGです。

<OKワード>

・表皮の角質層への浸透

・角質層のすみずみへ

・乾燥の気になる場所に

 

<NGワード>

・ホウレイ線をケア(作用部位でなくシワの改善を暗示する標ぼうは不可)

・角質層より奥への浸透

・肌の奥深くへ

・肌の内側から

(2)毛髪

 毛髪の場合、内部といった表現までであれば問題ないですが、例えばキューティクルの修復等薬理効果を生じさせるような表現はNGとなります。

 <OKワード>

・毛髪内部への浸透

 <NGワード>

・浸透して損傷部分が(治療的に)回復するような表現

 

 以上のように、化粧品広告については、微妙な表現でOKワードかNGワードかが分かれますし、配合目的の記載など専門的な判断が必要になる場合がございます。ご判断にお困りの際は当事務所へご相談ください。

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森大輔

2009年の弁護士登録以来、企業問題に取り組む。森大輔法律事務所を開所し、労働分野や広告、景品表示案件を中心に多くの顧問先をサポートしている。講演実績は多数あり、企業向け・社会保険労務士向けの労務問題セミナーを定期的に開催している。

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