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消費者庁の、サブスクリプション(定額課金)サービス事業者に対して契約内容の明示を求める指針について

 令和4年2月9日、消費者庁は、サブスクリプション(定額課金)サービス事業者に対し、消費者トラブルを防止するために契約画面に記載すべき項目などの指針を公表しました。

 近年、コロナ禍における「巣籠生活」により、動画配信サービス等の需要が増加し、サブスクリプション(定額課金)による契約が増えています。このような中、いわゆるサブスク契約において、無料期間を経ると自動で有料に切り替わることが多く、消費者が料金の発生に気付かなかったり、解約方法がわからず支払いを続けてしまっていた等、消費者トラブルが多く発生しています。そこで、消費者庁はこの点に着目し、以下の点に関する指針を公表しました。

① 無料から有料に切り替わる時期を明示する。

② 支払い内容を明確にする。

③ 契約期間を明示する。

④ 自動更新する場合はその旨明示する。

⑤ 有料料金の記載を「初回無料」などの文字より目立たせる。

⑥ 解約方法を明示する。

 かかる指針に違反した場合は、罰則(最大3年以下の懲役または300万円以下の罰金)の対象になるため、サブスク事業を行う事業者は特に注意が必要です。

 また、今年6月には改正特定商取引法が施行され、ますますサブスク等のネット通販等の規制が増えます。例えば、⑴商品やサービスの量、⑵実際に支払う金額、⑶支払い方法・時期、⑷商品やサービスの受取時期、⑸申込期間、⑹キャンセル方法を契約が成立する前の画面にわかりやすく表示させることを事業者に求めることになります。改正法に違反した場合、業務停止命令などの行政処分や罰則(最大3年以下の懲役または300万円以下の罰金)が科されることになりますので、上記指針とともに注意すべき事項になります。

 このように指針や改正法の内容をみると、やはり販売画面や契約画面がいかに消費者目線に寄り添った表示といえるかがポイントかと思われます。ただし、上記指針に違反するかどうかについては、「消費者が画面を見て理解できるかを総合判断する」と消費者庁は述べており、基準のあいまいさが残ります。この点については、今後の摘発事例を注目していく必要があるでしょう。

 今回の指針により、どの程度トラブルを抑えられるか、また、どの程度摘発される事業者がでてくるのか、今後の消費者庁の動向に注目です。

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森大輔

2009年の弁護士登録以来、企業問題に取り組む。森大輔法律事務所を開所し、労働分野や広告、景品表示案件を中心に多くの顧問先をサポートしている。講演実績は多数あり、企業向け・社会保険労務士向けの労務問題セミナーを定期的に開催している。

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