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まず、展示会への来場者に対して、誰が景品を配るかが問題となります。
展示会施設を運営する会社が配布の主体であれば、そもそも取引附随性が認められません。そもそも、施設を運営する会社は、一般的には、ブースに出店する企業様にスペースを貸して収入を得るという不動産賃貸業に類似するものですので、一般消費者が取引相手となるものではありません。この点は、ショッピングモールなどで、モールの運営会社がキャンペーンを行うケースと同じように考えられると思います。
では、展示会にブースを出展した企業さんが、自分たちのブースへの来場者(もしくは自社のみの展示会への来場者)に対して、景品を配布する場合はどうでしょうか。
まず、前提として商品やサービスの販売を行っている店舗への来場者全員に向けて景品を配る場合は取引附随性が認められるため、景品表示法上の「景品」に該当し景品規制が適用されます。そのため、展示会であっても店舗と同じようにその場で取引をするケース(大商談会などと謳っているケースも多いようです。)では、それは店舗の場合と変わりがないと思います。結局このような場合であれば、取引附随性が認められ、景品表示法の「景品」に該当することになると思います。
他方、将来に発売される商品やサービスの展示会や、過去の企業歴史などを展示する展示会のように、商品やサービスを販売することなく企業の功績などをアピールすることを目的とした展示会などは、取引附随性が認められないということになろうかと思います。
では、景品表示法の「景品」に該当するとした場合、どのような規制を受けるでしょうか。
本件の場合は、抽選などでなく来場者全員に向けて景品を配るということであれば、総付規制の対象となります。アンケート回答者に対してという限定を付した場合については後述します。
購入を条件とせずに、来店者にもれなく景品を提供する場合の取引の価額はいくらとして計算されるでしょうか。この点については、原則として100円とされていいます。そのため、提供できる景品類の最高額は200円となります。
ただし、店舗において、通常行われる取引の価額のうちの最低のものが100円を超えると認められるときは、その最低のものを取引の価額とすることができますので、この取引の価額が1,000円以上の場合は取引の価額の10分の2が提供できる景品類の最高額となります。例えば、展示会においてある商品の最低価格が1万円の商品だということであれば、その10分の2の2,000円が景品の限度額ということになります。
展示会の来場者に対して試供品を提供するケースもあると思います。そのような場合も総付規制の対象になるのでしょうか。この点については、総付規制の総付規制の例外として、指定告示である「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」において「見本その他宣伝用の物品又はサービスであつて、正常な商慣習に照らして適当と認められるもの」は総付規制が適用されないと規定されております。
そのため、展示会の来場者に対して試供品を提供する場合はそもそも総付規制の適用外ですので、正常な商慣習に照らして適当なものであれば、規制はありません。
アンケート回答者にプレゼントや謝礼を渡す行為は、一般的に顧客誘引の手段としての効果を持つとはいえません。アンケート自体が商品役務ではない以上、アンケートをいかに回答しても「顧客を誘引するための手段」にならないからです。
しかしながら、来店者のみを対象にアンケート調査を実施する場合や、その事業者の商品やサービスを購入しなければアンケートへの回答が困難であるような場合は、アンケート自体が目的ではなく、その後の商品やサービスを購入してもらうためにアンケートが手段として用いられていると考えられます。
したがって、このような場合は、客観的にみて「顧客を誘引するための手段」として「取引に附随して」行われるものと判断される可能性があり、景表法の適用を受けますので注意が必要です。
キャンペーンを企画・実施する際に法的に問題がないかどうかについての相談業務を行っております。こちらについては法律問題サポート契約(顧問契約)が前提となります。相談方法は、メールやチャットワークで常にコンタクトができる体制を整備しておりますので、どんな些細な点でもご相談いただけます。なお、単発での法律相談にも対応はしておりますが、2回を超えての相談については、法律問題サポート契約(顧問契約)をお願いしております。
消費者庁の対応も行っております。キャンペーンの企画・実施に問題があったことで消費者庁から調査を受けることがあります。消費者庁の場合でも、いきなり行政手続に入るのではなく、事前に質問をされそれに回答をしていくという調査が行われるが通常です。事案によっては、このタイミングでいかに合理的な説明ができるかが重要となってきます。このような消費者庁からの調査についてサポートまたは代理人として活動することも行っております。
自社で企画しようとしているキャンペーンが景表法に違反していないかなどについて意見書の作成を行っております。なお、こちらは基本的には法律問題サポート契約(顧問契約)をご利用いただき普段からご相談に対応させていただいております企業様へのサービスと原則させていただいております。ただし、事案によっては顧問先様企業でなくてもお受けできるケースもございますので、お問い合わせいただければと思います。
森大輔法律事務所は景表法のみならず薬機法等の表示に関する法的問題のサポートに力を入れております。まずは、お電話からの面談の予約、または森大輔法律事務所のお問い合わせフォーム(https://moridaisukelawoffices.com/contact)よりご相談をご予約ください。ご相談の日程を調整させて頂き、面談を実施させて頂いております。
初回法律相談に限って1時間2.2万円(税込)の費用で対応させて頂きます。
2回目以降の法律相談を継続して希望される場合は、原則として法律問題サポート契約(顧問契約)をお勧めさせて頂いておりますが、相談だけの場合は1時間あたり3.3万円(税込)の費用がかかります。
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②一月あたり3項目に関する相談まで対応が可能です。5項目を超える場合でも、翌月分や前月の残りの相談数を充当することが可能です。
③回答はメールやチャットでの回答となります。意見書が必要な場合は別途費用がかかるケースがあります。その場合は事前にお見積りをお出しします。
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②チェック項目が何項目にわたるかについては、事前に対象広告をチェックさせて頂きお見積りを出させて頂きます。
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景表法についてお悩みの方は、是非お気軽にお問合せ下さい。