ソフトウエア開発委託契約紛争に関する解決事例


 アプリを開発する業務を委託する側(ユーザー側)からのご相談でした。アプリのシステム開発を担うITベンダが納品してきた成果物が、当初の設計とは異なるものであり、システム的にもバグが生じるものでした。何度もその不備を修補してもらったのですが、それでも同じような不備が以前として続く状態でしたので、解除の上、損害賠償(代金の一部返還)を求めたいとのことでした。
 本件は、訴訟に未だは発展せずに、交渉で解決した事案となります。
 まず問題となったソフトウエア開発委託契約書をみると、何をもって完成とするのかの明確な規定がありませんでした。また、瑕疵担保責任の規定や、解除規定もベンダ側に有利なものとなっており、現状においてそもそも契約が解除できるのか微妙な案件でした。
 この点については、完成したかどうかという点には触れず、何度も修補をお願いしたにもかかわらず改善がされないという点に注目しました。仮に完成していてもシステムに障害があり、遅滞なく修補ができず代替措置が講じられない場合は「契約の目的が達成できない場合」(民法635条)にあたることを根拠に解除と損害賠償請求を主張していきました。
 この点の主張については、明確な反論がされなかったため、解除と損害賠償請求を認めてもらうことができました。なお、今回はプログラムのデータやその著作権等の権利を譲渡してもらうことも約束でき(その分損害賠償は減額しました。)、他の業者に引き続きプログラムの開発をしてもらい無事にアプリを完成させることができました。
 弊所では、上記事件をきっかけに、ソフトウエア開発委託契約書をチェックする際は、契約の形態(請負が準委任か)や、何をもって完成するか、瑕疵担保の規定が入っているか、プログラムの著作権の帰属の規定が不利になっていないかなどを重点的にチェックしております。

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