本日、消費者庁は17日、英会話スクール「NOVA」などを運営する「NOVAランゲージカンパニー」(東京)に対して、景品表示法違反(有利誤認)を認定し、再発防止を求める措置命令を出したとの報道がありました。
報道によりますと、昨年9月~今年4月の間に、「NOVA駅前留学」で、キャンペーンとうたって一般の入会金が2万円のところを0円になるという宣伝を行うなどしていたとのことですが、実はキャンペーン前に入会金を支払わせていた実績がなかったとのことでした。
このNOVAの宣伝は、本来であれば費用としてかかる入会金が今なら不要であると消費者に取引条件について誤認を与えるものとなっております。そのため、景品表示法の有利誤認に該当することとなります。そして、今回、措置命令に至ったとのことでした。
過去にも同じようなケースとして、アディーレ法律事務所の措置命令がありました。これは、アディーレ法律事務所が、過払い金の返還請求について、「1か月限定」「今だけの期間限定」として着手金を無料などとホームページ上に掲載しておりましたが、実際には4年以上にわたって着手金無料としており、このことが景品表示法上の有利誤認に該当するということで措置命令を受けております。
このように同じような違反事例が繰り返される理由はどこにあるのでしょうか。
この点、真っ先に考えられるのが、部署間の連携、特に法務部との連携などが十分にとれていないということが考えられます。特に広告に掲載するキャンペーンなどは、景品表示法に関する分野ということがだいぶ周知されてきているように思うのですが、それでも企画や営業といった部署が進めてしまい法務のチェックを受けられないままキャンペーンを進めてしまうケースが未だにあると思います。
また、次の理由として景品表示法そのものの理解に乏しかったというケースも未だにあるようです。
これらの事象についてはどのように対応したら良いかという点ですが、一番は部署関係なく広告に携わる全従業員に向けた景品表示法の継続的な研修というのが一番有効であると考えます。私どもも景品表示法の研修を請け負って行うことがありますが、法務部だけの研修では意味がないと感じております。なぜなら、その法務に相談すらこなければ意味がないからです。
法務に相談すべき事項なのか、そうでない事項なのかを研修を通じてその判断ができるようになることが一番の対策ではないかと思っております。
NOVAも社内研修で広告に携わる全従業員に継続的な研修を行っていれば、今回の措置命令は典型的な有利誤認だっただけに、十分防げたのではないかと思っております。