スシロー「生ビール半額」広告の景表法問題について弁護士が解説

 

 7月13日に回転すしチェーンの「スシロー」にて、生ビール半額のキャンペーンチラシをキャンペーン開始前から誤って一部の店舗に掲示していたとの報道がなされました。この掲示を見て生ビールは半額だと思い注文したお客様がいたようですが、実際には半額になっていなかったとのことでした。これはまさしく有利誤認に他なりません。

 生ビール半額を告知したキャンペーンチラシを見たところ、キャンペーン終了日は記載がありましたが、キャンペーン開始日の記載がありませんでした。このようなチラシを店舗に掲示すれば、実際にはキャンペーン前だったとしても、お客様は生ビールが半額だと誤信してしまいます。そして、これは取引条件に関して誤信を与えるものですから、まさしく有利誤認です。

 スシローは以前にも、目玉商品のすしが実際にはほとんど店舗にはなかったということで、おとり広告を理由に措置命令を受けたばかりでした。そして、今回は有利誤認ですので、おとり広告のような告示違反とは異なり、措置命令の他、課徴金納付命令の対象にもなってしまいます。

 但し、課徴金納付命令は、課徴金額が150万円未満の場合は課徴金を賦課しないとされています。つまり、今回でいうと生ビールの売り上げが5000万円以上(この3%が課徴金として課されることになります。)にならないと、課徴金額が150万円未満となってしまいますので課徴金が賦課されません。おそらく、今回は、このような課徴金が賦課されるまでの売り上げまではいっていないだろうと予測されます。しかしながら、やはりコンプライアンス違反という点では軽視できない事態だと思います。

 なお、仮に、課徴金が賦課されるような事案であった場合、どのような対応をとるべきだったでしょうか。今回のケースでいうと、スシローの自主申告によるものであれば、課徴金の2分の1は減額されることとなります。そのため、課徴金対象行為を行ってしまった場合は、自主申告をするということは実は非常に重要な選択になるのです。

 次のポイントですが、消費者への返金です。この点、返金をすれば課徴金の減免が受けられると思われている方もいると思いますが、実は、返金措置計画を消費者庁に提出し認定を受けて、それに従って返金をしなければ減免は受けられないこととなっています。むやみに返金するとかえって企業に大打撃を与える可能性がありますので、返金の際も注意が必要となります。

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