先日のタイガー魔法瓶の措置命令に続き、9月3日にビックカメラと子会社のビック酒販社(以下、便宜上単に「ビックカメラ」といいます。)に対して消費者庁より措置命令が出されました。報道によれば、仕入先の情報が誤っていたことが原因で、中国製や台湾製の商品を日本製と表記していた事例や、逆に日本製の商品を中国製や台湾製と表記していた例もあったとのことです。
この点、仕入先の情報が誤っていたのであれば、仕方がないのではないか、むしろ仕入先業者の責任ではないかと思う人もいるかもしれません。しかしながら、景品表示法は、不当表示について景表法上の責任を負う主体性について、「表示内容の決定に関与した事業者」と定義しておりますので、今回のビックカメラは不当表示の主体として責任を負うこととなるのです。ビックカメラは、仕入先の情報を基に自ら販売する商品の表示を決定してしまっているので、表示主体としての責任は免れないこととなります。
他方で、製造業者が既に表示をしており、小売業者がそれをそのまま販売したような場合には、自らが表示の内容の決定に何ら関与していないので表示主体としては責任は負いません。
このように、仕入先の情報をそのまま鵜呑みして表示をしてしまうと景表法違反となる可能性がありますので注意が必要です。自社の商品の産地など基本的な情報については間違いがないかしっかりと自社で調査をするように心がける必要があります。この場合、過失の有無に関係なく景表法上の責任を負うこととなりますので、その点も注意が必要です。
弊所では、景品表示法など表示規制に関する法律問題に積極的に取り組んでおります。宣伝・広告に関する法律問題はトラブルになる前に是非ご相談ください。