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新規参入の会社や業績の伸びている会社が、同業他社(ライバル企業)から疎まれたり嫉妬されたりしてSNS・掲示板、クチコミサイト上に根拠のない悪評を書かれる「クチコミ嫌がらせ」。これは実際に発生しております。
GoogleビジネスプロフィールやAmazonレビューなど、誰でも簡単に投稿できるプラットフォームで特に発生率が高く、ライバル企業が多数アカウントを作成して繰り返し低評価のクチコミを投稿するケースも報告されています。
ライバル企業は、その業界に精通していて、どのような「クチコミ嫌がらせ」をすればよりダメージを与えられるかを容易に想起できるため、タチが悪くやっかいです。
では、ライバル企業による「クチコミ嫌がらせ」には、どのように対抗したら良いでしょうか?
この点に関して、民法の特別法である不正競争防止法は、競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、または流布する行為を「不正競争」として規制しています(2条1項21号)。
同種の商品・サービスを取り扱う競争関係にあるライバル企業が、真実とは異なる虚偽の事実を「クチコミ嫌がらせ」として投稿・拡散して世の中に広く知らしめる行為は、「不正競争」に該当します。
したがって、虚偽の事実に基づく誹謗中傷など「クチコミ嫌がらせ」の投稿者がライバル企業である場合には、単なる名誉毀損にとどまらず、不正競争防止法違反として、①投稿の削除や今後の投稿禁止を請求する差止請求(3条)、②売り上げ減少などの損害について賠償請求(4条)、③謝罪広告の掲載など信用回復措置の請求(14条)という、より強力な対抗手段をとれる可能性があります。
不正競争防止法違反というより強い対抗手段をとるためには、「クチコミ嫌がらせ」の投稿者がライバル企業であることを突き止めて特定しなければなりませんが、クチコミをした投稿者を特定することはできるのでしょうか?
たとえ匿名であったとしても、クチコミをした投稿者が誰であるかは「発信者情報開示請求」によって特定することができます。
「発信者情報開示請求」とは、インターネット上において誹謗中傷などで名誉・信用などの権利を侵害した投稿者(発信者)の情報(IPアドレスや住所・氏名など)を取得できる手続です。
投稿者は「クチコミ嫌がらせ」を書き込むときにインターネットに接続しているので、そのときに使ったNTTやKDDIなど接続プロバイダ(アクセスプロバイダ)や、Google、食べログなどサイト運営者(コンテンツプロバイダ)といったサービス提供事業者が介在しています。
これらのサービス提供事業者に対して、投稿者情報の開示を求めていくことになります。
具体的な段取りとしては、まず、サイト運営者(コンテンツプロバイダ)に対して投稿時のIPアドレスと接続日時(タイムスタンプ)の開示を求めます。任意に応じない場合は裁判所に「発信者情報開示の仮処分」を申し立てます。
仮処分手続には、仮処分によって情報開示がなされたことによって何らかの不利益が起こった時の補償に充てるための「担保金」が一時的に必要となることに注意が必要です。
IPアドレスを入手することによって接続プロバイダ(アクセスプロバイダ)が判明するので、次はアクセスプロバイダに対して契約者の氏名・住所などの情報開示を請求します。任意に応じない場合は裁判所に「発信者情報開示請求訴訟」を提起します。これによって、投稿者が誰であるか特定することが可能になります。
このように2段階の裁判手続によって、クチコミをした投稿者を特定することができます。
なお、ログが残っていても保存期間の経過によって消去されてしまう可能性が高いため、接続プロバイダ(アクセスプロバイダ)が判明したらログ保存の依頼または仮処分が必要となります。
2022年の改正プロバイダ責任制限法で「発信者情報開示命令」の制度が創設されました。
これによって、より簡易・迅速な裁判(非訟)による1つの審理手続の中でサイト運営者(コンテンツプロバイダ)と接続プロバイダ(アクセスプロバイダ)の双方に情報開示を求められるようになりました。
さらに、サイト運営者(コンテンツプロバイダ)に対して投稿時に経由した接続プロバイダ(アクセスプロバイダ)の情報を提供させる「提供命令」、コンテンツプロバイダとアクセスプロバイダに対して投稿に関するログの削除を禁止する「消去禁止命令」をも同一手続で申し立てることが可能になりましたので、従来よりも迅速・効率的に投稿者を特定できることが増えました。
従来の手続もこれまでどおりに行うことは可能なので、どちらの手続を利用するかを決める必要があります。
改正プロバイダ責任制限法による「発信者情報開示命令」に関する裁判手続は、スムーズに進めば時間短縮が期待できます。
しかし、サービス提供事業者側(コンテンツプロバイダやアクセスプロバイダ)が異議申し立てをおこなうと通常の裁判手続に移行するため、かえって時間がかかることもあります。
また、格安スマホ携帯会社のように他社事業者のインフラを利用している場合、IPアドレスの開示を求めても他社事業者のものが開示されることもあるため、結果的に2段階での開示請求する必要が生じております。
したがって、実際にどちらの手続を利用すると良いかは、開示請求に精通した弁護士に相談することをおすすめします。
発信者情報開示請求をする場合の進め方につきましては、「発信者情報開示請求とは?口コミ投稿者を特定する方法を弁護士が解説」の記事でくわしく説明しておりますので是非ご覧ください。
「クチコミ嫌がらせ」の被害に遭ったら、まず証拠を残すことがとても重要です。
なぜなら、客観的な被害証拠があると、相談や交渉をする時に状況を正確に伝えることができますし、裁判をする時には証拠資料として提出することができるからです。
被害証拠として、投稿内容(What)だけでなく、投稿者(Who)、投稿日時(When)、投稿先サイトのアドレス(Where)も一緒に画面のスクリーンショット等の方法で記録して、紙に印刷して集めておくと良いでしょう。
あわせて、クチコミが自社に与えた影響を示す資料(売上推移や患者数の減少など)、クチコミが事実と異なることを示す根拠資料(診療記録、業務日誌、領収書、社内規程など)も揃えておくと良いと思います。
書き込みの内容が虚偽の情報や誹謗中傷など自社の名誉や信用などの権利を侵害するもので、ライバル企業によって書き込まれたことが明らかになった場合には、直接、ライバル企業に対して、クチコミ削除や今後のクチコミ禁止を請求する差止請求をすることができます。請求方法としては、弁護士名による内容証明郵便が効果的です。
また、ライバル企業による書き込みかどうかまだ不明の段階であっても、書き込みが自社の名誉や信用などの権利を侵害するものである場合は、サイト運営者(コンテンツプロバイダ)に対して、そのクチコミを削除するよう求めることができます。サイト運営者が任意の削除に応じない場合には、裁判所にクチコミ削除の仮処分命令を申し立てることができます。
ライバル企業の書き込みよって売り上げが減少したのであれば、ライバル会社に対して損害賠償を請求することができます。
不正競争防止法4条に基づく損害賠償請求をするための要件は、①故意または過失、②不正競争行為、③営業上の侵害による損害の発生およびその額、④因果関係です。
不正競争行為による損害額の立証は難しいのですが、不正競争防止法においては、営業上の利益を侵害された者の立証の負担を軽減する規定が定められております。
自社の営業上の信用も害されたのであれば、あわせて、謝罪広告の掲載など信用回復措置も請求することができます。
ライバル企業の書き込んだ内容が虚偽の情報や誹謗中傷など自社の名誉や信用を毀損するものである場合には、警察に名誉毀損罪や信用毀損罪で刑事告訴し、刑法に基づいた処罰を求めることもできます。
実際、競合他社の信用を落とすために、知人に依頼してAmazonレビュー欄に「飲みにくかった」というコメントと★1つの低評価を入力させるという「やらせ投稿」をした健康食品会社の経営者が、信用毀損罪で罰金20万円の略式命令を受けた事案もあります。
悪質なクチコミを削除したり投稿者を特定したりするためには、多くの時間・費用・労力・ストレスを伴います。たとえ投稿者を特定できても、損害賠償金として実際に得られる金額より弁護士費用の方が高くなってしまうケースすらあります。
したがって、悪質なクチコミの防止策を事前にしっかり講じておくことが企業にとって大変重要といえます。
コンテンツプロバイダなどサービスを提供する事業者に書き込みを監視する義務はないため、自主的にGoogleビジネスプロフィールやAmazonレビューなどに悪質な書き込みがされていないかを日常的に監視して、発見次第、速やかに対応した方がよいです。
もし「クチコミ嫌がらせ」として虚偽の事実が書き込まれた場合には、放置することなく速やかに、自社ホームページなど公式サイトを使って、正しい情報を発信し風評被害を防げるように事前準備しておきます。感情的になって不用意に反論や挑発をしてしまうと、火に油を注ぎ、取り返しのつかない事態になりかねないからです。
たとえば、心当たりがまったくない事実無根のデマを書かれたケースに対しては、クチコミに対する回答として、まず、これを目にする不特定多数の閲覧者(将来の顧客や求職者)に向けたメッセージとして「ご指摘いただいたような事実は当店では確認できませんでした。心当たりのない書き込みであり困惑しております。」など注意喚起したうえで正しい情報を記載し、そのあとに投稿者に向けたメッセージとして「もし今後もウソの書き込みや誹謗中傷が続くようであれば、顧問弁護士に相談し法的措置をとりますのでご承知おきください。」など再発を防ぐための警告をシンプルに記載することで対応する、というようにあらかじめ決めておくと良いと思います。
あげ足を取られない冷静で紳士的な対応をスピーディーに実行して評価の失墜を防げるように、弁護士に相談して対応の段取りを事前にしっかり整えておくことをおすすめします。
自社ホームページ等に「事実無根の悪質なクチコミに対しては顧問弁護士に相談のうえ法的措置をとります。」など警告文を掲載し、泣き寝入りせず立ち向かう覚悟を明確に示しておくと、軽い気持ちでの悪質なクチコミを躊躇させることになると思います。
現代は、インターネット上のクチコミが何年もかけて築きあげた会社やクリニックの信頼を瞬時に崩壊させてしまう時代です。「クチコミ嫌がらせ」を無視して放置することは、将来の顧客や求職者を失い続ける結果を招きかねず、経営にとって大きなリスクです。
被害が拡大したりプロバイダのログ保存期間が経過してしまう前に、適切な対応をスピーディーにとることが重要です。少しでも不安を感じたら、弁護士へ速やかに相談することをおすすめします。
インターネットトラブルに詳しい弁護士であれば、どうすれば「クチコミ嫌がらせ」を躊躇させたり評価の失墜を防げるかについての知見がありますので、予防のための提案や「クチコミ嫌がらせ」への対応マニュアル作成についてアドバイスできます。
たとえ「クチコミ嫌がらせ」をされた場合でも、クチコミ削除が認められる可能性を法的観点から検討したり対応方法について速やかにアドバイスできます。裁判所にクチコミ削除の仮処分を申し立て、裁判手続を進めることもできます。
さらに、投稿者への断固たる措置として、発信者情報開示手続により投稿者が誰かを特定して、不正競争防止法に基づく侵害の停止、損害賠償の請求や示談交渉、名誉毀損罪・信用毀損罪での刑事告訴をすることもできます。
このように、弁護士であれば、事前予防から裁判手続までオールマイティに対応できますので、経営者様の精神的ストレスや時間・労力を大幅に軽減できます。そして、弁護士が代理人として交渉することによって、再発防止策を盛り込んだ和解案での示談などで根本的な解決を実現してビジネスを守ることができます。
したがって、「クチコミ嫌がらせ」でお悩みの場合は、弁護士に相談・依頼することをおすすめいたします。
なお、クチコミの削除申請や交渉を、弁護士資格のない削除代行業者(非弁事業者)が報酬を得て行うことは、弁護士法第72条(非弁活動の禁止)に抵触する違法行為です。
違法業者を利用していた事実が公になればお店やクリニックの社会的信用が損なわれるリスクがあるうえ、根本解決にならず事態が悪化したり、成果がなくても高額な費用を請求されて金銭トラブルになっているケースもあるので、経営者としては非弁事業者を利用すべきではありません。
悪質なクチコミの削除は、弁護士に依頼するようにしてください。
弁護士法人森大輔法律事務所は、2015年に企業法務メインの法律事務所としてスタート以来、業種も規模もさまざまな100社以上にわたる顧問先のリーガル・コンサルタントとして数多くの企業事例を取り扱い、法律の枠を超えた「経営を守る生きた知恵」をもご提供している事務所です。
我々は、悪質なクチコミから会社を守りたいという想いから、誹謗中傷・風評被害の対策に力を入れております。
風評被害トラブルに精通した弁護士チームがスピーディーにチームワーク良く対応した結果、悪質なクチコミを削除できたことによって、依頼者様から「ひとまず安心しました」「大変ほっとしました」等の喜びと感謝のお声を頂いております。
さらに、リーガル・コンサルタントとして、経営者様からのご要望に沿ってクチコミ削除の先にある「平穏なビジネス環境」を取り戻して企業価値を最大化できるよう、法的観点から親身にサポートいたしております。
・「クチコミ嫌がらせ」誹謗中傷など悪質なクチコミにお悩みの方
・放置して大丈夫なクチコミなのか、どう対応したら良いかわからず不安な方
・投稿者が誰なのかを特定して断固たる法的措置をとりたい方
・クチコミ削除にかぎらず幅広い法務・労務の相談にスピーディーで親身に対応できる顧問弁護士が必要な方
・社内マニュアル、契約書、広告などのリーガルチェックや社内セミナーも気軽に頼める顧問弁護士がほしい方
弁護士法人森大輔法律事務所のホームページから24時間いつでも相談できます。
クチコミ削除・企業法務に詳しい経験豊富な弁護士が喜んでスピーディーに対応します。
女性弁護士を含むチームによる対応も可能です。
オンラインWeb会議ツール(ZOOM)を活用して、全国どこでも対応できます。
もちろん、直接オフラインでお会いしてお話を伺い、資料を一緒に見ながらのご相談も大歓迎です。
弁護士法人森大輔法律事務所は、東京・東銀座(歌舞伎座の向かい)にあります。
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