依頼内容は、会社の金銭を横領している可能性がある従業員がいるので懲戒解雇をしたいとの相談でした。
会社のお金を横領しているかどうかの事実関係については明確な証拠がなかったので、取引先などを会社の代表者と一緒に回り、一部の金額を横領していることの証拠を発見することができました。
ただし、懲戒解雇をした場合、金額が一部しか立証ができないことや、就業規則にも不備があったことから、懲戒解雇を行うことはリスクがあることを説明しました。この点について、会社からは、他の従業員の建前もあり、このようなケースで懲戒解雇できないとなると会社の秩序を維持することができないとの意見を頂戴しました。
そこで、まずは懲戒解雇通知書を作成しましたが、その中に、仮に懲戒解雇が裁判所で無効と判断されたときを想定して予備的に普通解雇をする意思も含むものであることを記載し、訴訟のリスクと会社側の意見を両方調整する方法で対応しました。
懲戒解雇が無効であっても、結局は普通解雇されるという関係にあるため、従業員からは訴訟を提起されることはなく無事に解決しました。
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