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学校法人の就業規則等の点検や改定

学校法人の就業規則

学校法人と教職員の間の法律関係は、就業規則により規律されていますが、学校法人と教職員との間のトラブル予防や、教職員の勤務環境の整備のために、

学校法人としては、就業規則の⑴労働時間、⑵給与、⑶服務規律、⑷休業、⑸解雇や退職、⑹懲戒処分等の規定について、点検・改定する必要が出てきます。

なお、就業規則に不備がある場合には、労働基準監督署から指導等がなされる可能性もありますので、現在の就業規則が現行法に対応したものなのか、実務に対応したものなのか等の確認は必須です。

 

⑴労働時間

「労働時間」とは、従業員である教職員が、使用者である学校法人の指揮監督下に置かれている時間をいいます。そして、労働基準法では、実労働時間が8時間を超えた部分について割増賃金を支払うべきと定められています(労働基準法32条1項・2項、37条)。

 

しかし、就業規則において、たとえば、「始業午前9時、終業午後5時、休憩時間1時間」としたうえで「午後5時を超えて労働した場合には割増賃金を支払うものとする。」という規定が存在した場合に、割増賃金はどのように計算されるのでしょうか。

この規定の場合、仮に、教職員が午後4時から出勤しても、学校法人としては、教職員の午後5時以降の労働に対して、割増賃金を支払わなければなりません(労働基準法24条1項。賃金全額払いの原則)。

 

そこで、学校法人としては、このような不合理な支払いを回避するとともに、教職員の適切な労務管理を実現するために、就業規則上の始業時間・就業時間の規定が実務と適合しているのか、どの時点から割増賃金が発生するのか等を点検し、適切な形に修正するべきといえます。

 

⑵給与

賃金の計算及び支払の方法等は、教職員と学校法人の双方にとって重要事項です。

特に、経営再建を図る学校法人にとっては、経費削減という観点から、給与体系の見直しが必要となってきます。

 

⑶服務規律

学校法人の存続と円滑な運営の維持のために、学校秩序の確立と維持は必要不可欠です。そのためにも、教職員の労務提供に関する行為規範として、就業規則に服務規律を定めることが求められます。具体的には、

  ・政治活動・宗教活動等を禁止する規定

  ・在職中および退職後の秘密保持義務を定める規定

  ・セクシュアル・ハラスメントを禁止する規定

などを、学校法人の理念に照らして定めることができます。

 

⑷休業

現行の育児・介護休業法では、子育て中の短時間勤務制度、子の看護休暇制度、父親の育児休暇取得促進等について定められています。また、要介護状態にある対象家族を介護するための介護休業も、同法11条により規定されています。

同法は、数年間に1度のペースで改正されているため、現在の就業規則が現行法と整合しているのかの点検が必要となります。

⑸普通解雇や退職

教職員による横領等の問題行動が発生した場合、学校法人として、当該教職員を普通解雇することができるのかを判断するために、就業規則に、普通解雇事由を具体的に記載しておくことが必要です。具体的に記載しない場合には、普通解雇をすることが困難となり、職員室全体の雰囲気が悪化することもあり得ます。

 

⑹懲戒処分

懲戒処分とは、学校法人が、服務規律を守らず学校秩序に違反した教職員に対して、一方的に行う制裁罰をいいます。

そして、判例は、「使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種類及び事由を定めておくことを要する」としています(フジ興産事件、最高裁平成15年10月10日判決)。

そのため、⑸と同様、就業規則には具体的に懲戒事由を記載しておく必要があります。

 

当事務所では、現行法に対応しているのか、プロの目線で就業規則の点検を行うことが可能です。また、労務管理が適切に行うことのできる就業規則への改定も行います。就業規則でお困りの方は、ぜひ、当事務所にご相談ください。

 

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 森大輔法律事務所は学校法人の法律問題に関するサポートに力を入れております。まずは、お電話からの面談の予約、または森大輔法律事務所のお問い合わせフォームhttps://moridaisukelawoffices.com/contact)よりご相談をご予約ください。ご相談の日程を調整させて頂き、面談を実施させて頂いております。

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森大輔

2009年の弁護士登録以来、企業問題に取り組む。森大輔法律事務所を開所し、労働分野や広告、景品表示案件を中心に多くの顧問先をサポートしている。講演実績は多数あり、企業向け・社会保険労務士向けの労務問題セミナーを定期的に開催している。

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