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エステサロンが気を付けるべき薬機法とは?広告表現のNGワードや言い換え例について弁護士が解説

1.エステサロンと薬機法の関係

 エステティシャンは医師ではないため、医業を行うことができません。そのため、どこまでの手技がエステティシャンに許されるのかが問題となります。この点については、「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」(平成13年11月8日医政医発第105号)の通達において、医療行為が整理され、医療とエステの境界が明らかとなりました。ただ、事業者における広告表現は、医療行為との誤認を与える表示があり、消費者トラブルが相次いでおります。
 そこで、2021年8月に改正薬機法が施行され、薬機法違反広告に対する法執行として、措置命令や課徴金納付命令が加えられたといった経緯があります。このような経緯からも、事業者は、広告の表現内容について、今後も薬機法を中心とする広告表現に関する法律に十分注意し、適切な広告表現を行っていく必要があります。

 

2.エステサロンにおいて注意が必要な法律

 上記1のとおり、医療行為との誤認が生じてしまうと薬機法違反となり刑罰まで課されるリスクがあることから、薬機法の適用には注意がとなります。
また、その他にも広告表現にしては、医療に関する情報提供、広告について規定している医療法や不当な表示を規制する景品表示法も注意が必要です。
さらに、エステサロンにおいて消費者トラブルが多いことから、消費者契約法及び特定商取引に関する法律も注意が必要です。これらは、消費者に誤認を与える等の被害を防止するために、契約の取り消しを認めたり、勧誘行為の規制がなされております。

 

3.【部位・目的別】やってしまいがちなNGワードと言い換え例

 エステサロンや美容業界の広告・SNS発信において、「良かれ」と思って使った言葉が、実は法令違反になるケースが多々あります。やってしまいがちなNGワードと、安全かつ魅力的な言い換え例をまとめました。

3-1.痩身エステ

「脂肪がなくなる」「痩せる」といった表現は、身体の変化を保証するものとみなされNGとなる可能性が高いです。

<NGワード>
「脂肪燃焼・脂肪分解」=身体の機能変化を断定している
<言い換え例>
「理想のボディラインへ導く」「揉み出しケア」

<NGワード>
「たった1回で激痩せ」=即効性・確実性の誇大広告
<言い換え例>
「スッキリした印象に」、「まずは1回体験」

<NGワード>
「リバウンドしない」=未来の保証は不可
<言い換え例>
「太りにくい習慣作りをサポート」

3-2.美白・スキンケア

「シミが消える」や「肌の奥(真皮)まで浸透」は、化粧品・エステの範囲を超えた表現です。

<NGワード>
「シミが消える・白くなる」=消えるは完治することを示唆するため認められません。
<言い換え例>
「透明感のある肌へ」、「(日焼けによる)シミをカバーする」

<NGワード>
「アンチエイジング」=老化防止は、身体機能の改善を示唆するため認められません。
<言い換え例>
「エイジングケア(年齢に応じたお手入れ)」

<NGワード>
「肌の奥深くまで浸透」=角質層を超える表現は不可
<言い換え例>
「角質層まで浸透」、「肌のすみずみまで」

3-3.脱毛

「永久脱毛」という言葉を使えるのは医療脱毛のみです。エステ脱毛では「減毛・除毛」の範囲を超えない表現が求められます。

 <NGワード>
「永久脱毛」
<言い換え例>
「ムダ毛ケア」

 

4.写真・画像・体験談にも注意を

4-1.ビフォーアフター写真

 使用前・後の図面・写真については、従来保証になるので不可とされていましたが、以下の点を満たせば、問題ないとされます。ただし、その判断は厳しくチェックされますのでご注意ください。
① 効能の範囲を超えないこと(一般化粧品なら原則56 効能)
② 効果発現時間が強調されていないこと
③ 効果持続時間が強調されていないこと

このように、承認において疾病を治癒、完治する効能効果を有する製品においては、効果発現までの時間及び効果持続時間の保証となるもの又は安全性の保証表現とならなければ、その使用前・後の写真等で治癒又は完治している内容であっても差し支えないとされています。ただし、「○○の緩和」等の効能効果の場合においては、治癒、完治するかのような写真等の使用は効能効果を逸脱するため認められませんのでご注意ください。

例えば、以下のようなビフォーアフター写真であれば差し支えないとされています。
(事例1)化粧品の染毛料、医薬部外品の染毛剤の広告において、使用前・後の写真を用い、色の対比を行っている場合
(事例2)医薬品である「鎮痒消炎薬」(効能︓かゆみ、虫さされ、かぶれ、しっしん、じんましん、あせも、しも やけ、皮ふ炎、ただれ)の広告において、虫刺されにより腫れている患部の写真及び患部が完治している写真を並べて使用する場合。

4-2.口コミ・体験談

「お客様個人の感想です」と書けば何を書いても良い、というのは大きな誤解です。
実際、体験談は客観的裏付けとなりえず、かえって誤解を与えます。そのため、原則として打消し表示にはならないと理解しておくべきです。
たとえば、「このサロンでシミが消えました!」という口コミを掲載する等、効果効能の代弁をすることはNGとなります。このような口コミは、運営者がその効果を保証したとみなされ、薬機法違反になります。
他方、「お店の雰囲気が良かった」「リラックスできた」といった、サービス内容や主観的な満足度を中心に掲載するのは問題ありません。あとは、使用感を説明したり、タレントが製品の説明を行うことも問題ありません。

 

5.エステサロンでの広告表現に不安を抱えている方は森大輔法律事務所に相談を

 広告表現が薬機法上違法であると指摘された場合、最悪の場合、刑事罰が課されるおそれがあります。このように一歩間違えると、大変な事態となることから、事前に弁護士に相談することが被害を最小限にとどめることにつながります。
 弊所では、薬機法、景表法をはじめとする広告表現のリーガルチェックを多数取り扱ってきました。法律の枠を超え、事業をスムーズに行えるよう知恵を駆使して代替表現を提供することにも力を入れております。
 広告表現にお困りの際は、是非ご相談いただければと思います。

【お問い合わせはこちら】

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森大輔

2009年の弁護士登録以来、企業問題に取り組む。森大輔法律事務所を開所し、労働分野や広告、景品表示案件を中心に多くの顧問先をサポートしている。講演実績は多数あり、企業向け・社会保険労務士向けの労務問題セミナーを定期的に開催している。

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