二重価格表示のルールについて

 二重価格表示は、明確に価格の安さを強調できるために訴求力が高く、魅力的です。しかしながら、景表法においては二重価格表示についてその内容の適正さを担保するため、複雑なガイドラインが設けられています。この消費者庁の「価格表示ガイドライン」における二重価格表示のルールを正確に理解できれば、二重価格表示も安心して行うことができます。

 「価格表示ガイドライン」では、二重価格表示を「比較対象価格」として認められる金額との表記であれば可能とされております。そして、比較対象価格については、様々なパターンごとに検討する必要があります。

①過去の販売価格を比較対照価格とする場合

 過去の販売価格により比較対象価格を決める場合は、セール開始日を基準として次の3点から決定します。

(ア)比較対照価格は過去8週間の過半を占める期間で販売していた価格か。

(イ)セール開始日が比較対象価格で販売した最終日から2週間以上経過していないか。

(ウ)セール期間が2週間以上になっていないか。

 以上の3点に注意すれば、比較対象価格を「(当サイト)通常販売価格」として二重価格表示をすることができ、段階的な値下げをする場合でも「通常販売価格」との間で二重価格表示が可能です。

②将来の販売価格を比較対照価格とする場合

 ガイドラインにおいては、将来の価格として表示された価格で販売することが確実な場合以外においては、将来の販売価格を用いた二重価格表示を行うことはあまり適切ではないとされています。また、将来の価格が、ごく短期間でのみ当該価格で販売するにすぎない時もまた、表示された将来の販売価格が十分な根拠のある場合ではないとき、に該当するとされています。そして、ごく短期間でのみ当該価格で販売する場合の「短期間」とは、当該セール期間と、販売期間のトータルでの関係や、一般的な価格変動の状況等をから個別に判断されます。

③タイムサービスを行う場合

 タイムサービスによる二重価格表示は、値下げ前の価格で販売していたことが明らかであり、通常は不当表示に該当するおそれはないとされています。もっとも、タイムサービスによる場合であっても、比較の対象となる価格での販売実績がなく、架空のものとなるような場合は当然不当表示となりますので、ご留意ください。

④希望小売価格を比較対照価格とする場合

 希望小売価格とは、よく「定価」や「メーカ希望小売価格」等と表記されるものですが、これを比較対象価格とする場合には、次の2つの要件を満たすことが必要です。

(ア)製造業者、卸売業者、輸入総代理店等が、小売業者の価格設定の参考のために自己の供給する商品について設定している価格であること。

(イ)あらかじめ、新聞広告、カタログ、 商品本体への印字等により公表されている価格であること。

⑤競争事業者の販売価格を比較対照価格とする場合

 市価や特定の競争事業者の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示を行う場合には、市価及び特定の競争事業者の販売価格について、正確な調査をした上で比較対象価格にしなければなりません。

 比較対象となっている市価又は特定の競争事業者の販売価格において、当該セール期間中のすべての期間で同一商品を比較表示価格で販売しているかどうかが重要となります。

 そして、「市価」の示す範囲については、同一商圏の市価ということになりますので、その調査を万全にしておく必要があります。

⑥他の顧客向けの販売価格を比較対照価格とする場合

 顧客によって販売価格に差がある場合で、他の顧客向けの販売価格を比較対照価格とする二重価格表示を行うときに、それぞれの販売価格が適用される顧客の条件の内容等について、実際と異なる表示を行ったり、あいまいな表示を行うときには、不当表示に該当するおそれがあります。

 以上、二重価格表示に関するルールを概説しましたが、実際の二重価格表示を行うには上記ルールの正確な運用が必要となります。そのため、二重価格表示を行おうとする場合には、是非弊所までご相談ください。

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